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共有持分の不動産について

こんにちは。営業第二部の室園です。
今回は不動産の共有持ち分について少しご紹介致します。

【共有持分について】
夫婦や兄弟姉妹などが共有名義で取得したマンションや、親から相続した土地や建物などについて、「共有名義の不動産は売却可能か」という疑問が生じることがあります。共有名義の不動産を売却する場合、全ての共有者の同意が必要ですが、共有持分だけであれば同意を得ることなく自由に売却できます。

ただし、共有持分を売却する際には通常の不動産売却とは異なるポイントが存在し、適切な対応が必要です。誤った手続きや情報不足がトラブルの原因となることもあるため、注意が必要です。
まずは、共有持分の基本知識から詳しく解説いたします。

【共有持分とは】
共有持分とは、1つの不動産を複数人で所有している際に、各所有者がその不動産に対して持つ権利の割合を指します。この割合は均等である場合もあれば、不均等である場合もあります。不動産を複数人で所有する状態を「共有名義」と呼び、共有名義となる不動産は、以下のような状況が一般的です。

・夫婦が新しい住居を購入し、その際に共有名義で登記を行う
・兄弟姉妹が親から相続した不動産を共有する
・親子が二世帯の住宅を共同で購入し、費用を分担する

共有持分は、不動産を取得する際に各所有者が支払った資金に応じて割り振られることが一般的です。たとえば、4,000万円のマンションを夫婦で購入し、夫が3,000万円、妻が1,000万円を支払った場合、持分割合は夫が4分の3、妻が4分の1となります。

相続した不動産の場合、通常は「法定相続分」が持分割合となります。法定相続分は法律によって規定された相続権を持つ人が、それぞれ相続する割合を指します。

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【共有持分の売却について】
■不動産の共有持分を売却する方法は通常の不動産売却とは異なり、特有の手続きが必要です。以下は、共有持分の売却方法についての詳細な説明です。

①不動産の共有持分が一般の買主にはなかなか引き取られない場合でも、買取専門業者を利用することで売却の可能性が広がります。これらの業者は共有持分を買い取り、後で他の共有者に転売することで利益を得ることを目指しています。

買取専門業者に売却するメリットは、通常の方法よりも迅速に取引が進行しやすい点です。一般の買主が見つかるまで待つ手間が省け、すぐに現金化できる可能性があります。ただし、この方法には売却価格が安くなる傾向があるため、慎重に検討する必要があります。

買取業者との交渉や契約書の確認など、専門的な知識が必要な場合もあります。安易に契約せず、売主としての権利や条件を確認することが大切です。不動産の共有持分を買取業者に売却する際は、慎重かつ十分な調査を行い、専門家の助言を得ることが重要です。

②共有持分をほかの共有者に売却する方法も一つの選択肢です。親族や配偶者など、既存の共有者が同じ不動産を購入する場合、相談を持ちかけてみることができます。特に親族の場合は、円満な取引が期待できることがあります。

この際には、成約価格に関するトラブルを回避するために、不動産鑑定を受けることが重要です。不動産鑑定は、国家資格を持つ不動産鑑定士が土地や建物などの不動産の適正な価値を評価するプロセスです。有料であるが、国が制定した評価基準に基づいて行われるため、公正かつ客観的な価格評価が得られます。

鑑定により、売却価格が公平であることを示すことができ、トラブルを未然に防ぐことができます。不動産を共有している関係での売却は感情的な要素も含まれるため、適切な価格設定は重要です。


③共有者全員で売却する方法は、不動産の共有名義を持つ全ての共有者が合意した上で、不動産全体を売却する手続きです。この方法では、一部の持分だけでなく不動産全体を市場に出すことができ、相場価格での売却が可能です。売却代金は共有持分に応じて分配されることが一般的です。

売買契約の際には、共有者全員の署名と捺印が必要です。契約の際には、共有者全員が立ち会うことが望ましいですが、全員での立ち会いが難しい場合は、代理人を設定することで手続きを代行することも可能です。代理人は共有者の信頼性が確保された人物であり、売却に関する権限を与えることが一般的です。

この方法は、共有者全員の同意が得られれば円滑に進行できますが、合意形成が難しい場合や感情的な要素が強い場合には、専門家や仲裁機関の協力を得るなど、慎重なプロセスが必要です。


④土地の共有持分を単独名義に変更する手段として、分筆が利用されます。分筆は、1つの土地を複数の区画に分割し、それぞれに新たな登記を行う手続きです。このプロセスにより、分筆された土地は単独の所有権を持つ土地となり、自由に売却することが可能になります。

ただし、分筆にはいくつかの注意点があります。まず、分筆によって得られる土地の形状や位置には差異が生じる可能性があります。これが使い勝手や資産価値に影響を与えることがあります。分筆を行う前に、具体的な分筆後の状況を検討し、各共有者が納得できる形に調整することが重要です。

また、分筆後も共有者同士でトラブルが生じる可能性があるため、事前に契約や合意書を作成し、将来の問題を予防する対策を取ることが賢明です。専門家や弁護士のアドバイスを受けながら、慎重に手続きを進めることが重要です。


共有持分の不動産はご親族間などご関係の近い方同士である一方で資産やお金といったお話については中々、話しずらいこともあります。弊社の方でもご親族間のお話をお聞きし、実際にお取引の事例もあるため、お気軽にお問い合わせくださいませ。